プレス・リリース “Arisan!”(アリサン!)は2004年インドネシア映画祭の最優秀賞受賞作品である。この作品の魅力は、ゲイをテーマにした初の一般公開映画であり、全く検閲に掛からずにあるがままの姿を正確に伝えているところにある。現在と違い、スハルト大統領の時代にはこの類いの映画は検閲を通過することは難しく、仮に通過したとしても、あちこちカットされ見難いものになってしまっていた。 日本での初公開は、明日7月14日、東京で開催される第14回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭にて。同映画祭でインドネシアの映画が上映されるのもまた初めてのことで、一般日本人向けに日本語字幕入りで届けられる。 “Arisan!”(アリサン!)は、オランダ、イタリア、シンガポール、ロサンゼルス、フランス、トロント、中国、サンフランシスコ、フィリピン、ニューヨーク、ニューデリー、バンクーバー、フロリダ、シアトル、韓国、香港、スロバキアで既に上映されており、驚くべきことに北朝鮮においても上映済みなのである。 ニア・ディナタ プロフィール 1970年3月4日ジャカルタに生まれる。米国ペンシルバニア州エリザベスタウン・カレッジ、マスコミュニケーション専攻を卒業後、ニューヨーク大学にて映画制作に関する特別プログラムを受講。 1995年に米国より帰国後、TVを中心に様々なプロジェクトを手がける。1998年、90分間TVドラマ“Mencari Pelangi”(虹を探して)で、インドネシアTV映画祭ベスト映画&ベストドラマ賞 を受賞。以来、数々のTV番組、CM、ミュージックビデオのディレクターを務める。 映画デビュー作は、2001年製作の準長篇映画(semi colossal epic)“Ca-bau-kan”。 “Ca-bau-kan”はインドネシアの著名作家レミー・シラドの小説を映画化したもので、 改革期以後のインドネシアの中国人社会に焦点を当てた初の映画である。 “Ca-bau-kan”で、ニアは2002年に韓国ソウルで開催されたアジア・パシフィック映画祭にて有望新人監督賞を受賞。同作品は同映画祭にてベストアートディレクター賞(最優秀美術監督賞)も受賞している。さらに2003年、“Ca-bau-kan”は動画アート&サイエンス・アカデミー(AMPAS)により外国映画ノミネーションの候補作品として選ばれた。 2002年4月、ニアはアフィ・シャマラとともに映画第二作“Biola
Tak Berdawai”(弦のないヴァイオリン)を製作。同作品は、無所属の(independent)インドネシア人女性監督スカール・アユ・アスマラのデビュー作となった。 2003年、ニアは彼女自身とジョコ・アンワールが共著した脚本による風刺コメディー“Arisan!”(アリサン!)を監督。“Arisan!”(アリサン!)は、インドネシア(世界最大のイスラム教徒を有する国)における同性愛者とらえた大胆な描写により世界中から熱狂的賞賛を受け、その心温まる純真さが観る者の心を魅了した。同作品はインドネシア国内の各種映画祭にて数々の賞を受賞。2004年アムステルダムにて開催されたシネマジア映画祭では最優秀映画賞と最大人気映画賞を受賞した。また、2004年ニューヨークでのアジア・アメリカ国際映画祭では年間新人監督賞(Annual Emerging Director Award)にノミネートされている。さらに、2004年MTVインドネシア映画賞では最優秀映像賞(Best
Picture)、最優秀監督賞、最大人気助演男優賞を、2004年インドネシア映画祭(FFI)では最優秀映画賞、最優秀編集賞(Best Editing)、最優秀主演男優賞、最優秀助演女優賞及び最優秀助演男優賞を受賞した。 ニアは、2004年5月、Fonds Sud Cine’maの20周年記念に際し、フランスの外務大臣とともにカンヌ映画祭ではカンヌ若手監督プログラムに招待され参加している。また、2004年6月インドネシアで開催されたフランス映画祭では審査員の1人に選ばれた。 ニアの今後のプロジェクト: −映画“Janji Joni”(ジョニーの約束)の製作にプロデューサーとして加わる。2005年1月よりprinciple photographyが開始し、2005年4月には映画がリリースされる予定。これはジョコ・アンワール(“Arisan!”(アリサン!)の共著者)の監督デビュー作品となる。 −ニアは既に2005年に彼女が監督する第三作目の映画“Berbagi Suami”(共有する愛)の台本を書き終えている。これは、現代インドネシアにおける複婚(polygamy)を風刺する映画である。 −インドネシアの映画制作者を支援するための映画財団(a film foundation)の設立を計画中。 スルヤ・サプトゥラ プロフィール 1975年7月5日ジャカルタに生まれる。ジャカルタ・パンチャシラ大学経済学部卒業。1994年にバンド“Cool Colors”のヴォーカリストの一員となりエンターテイメント界でのキャリアをスタート、2つのアルバムをリリースした。その後、TVドラマ出演のオファーが入り、1996年TVドラマ“Harkat Wanita”(女性の尊厳)で俳優としてデビュー。“Arisan!”(アリサン!)は彼の映画初出演作品である。“Arisan!”(アリサン!)で演じた役により、2004年インドネシア映画祭(FFI 2004)にて最優秀助演男優賞を、2004年MTV映画賞(MTV Movie Award)にて最大人気助演男優賞(訳注:受賞部門をBiography Nia Dinataの内容に合わせた)を受賞した。 “Arisan!”(アリサン!)以後、映画では“Janji Joni”(ジョニーの約束)、“GIE”(ギー)に出演。 現在もTVドラマや映画の撮影中であり、そのかたわらTV番組の司会なども務める。 訳注:arisan = 頼母子ないし無尽講。親戚、隣人、友人、職場仲間などのグループが定期的(毎週、毎月、隔月など)に集い、その都度メンバーが一定の会費を出して抽選を行い、当った者が全額をもらう。一度当った者は次回以降は対象外となり、メンバー数と同じ回数分開催されるので、いつかは必ず全員が当る。積み立てのようでもあるが、社交の場としての意味合いが強い。(13 July 2005) 日本インドネシア経済フォーラム 日本インドネシア経済月刊誌 〔日本語とインドネシア語〕http://jief.biz 120-0001東京都足立区大谷田1-1-1-1008 Tel.090-3344-0529
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